ファッション用語で「モノグラム」と聞くと、何を連想しますか?
恐らく、大半の方がルイ・ヴィトンのモチーフが規則正しく並んでいる柄を連想するのではないでしょうか。
私もそうです。
残念ながら「モノグラム」は、その柄構成自体を表現する言葉ではありません。
モノグラムの本来の意味は「複数の文字などを組み合わせた記号」の事です。
読売ジャイアンツの「YG」、阪神タイガースの「HT」など、プロ野球の帽子などに使われているアルファベットが合体したマークがまさにモノグラムです。
上の見本画像では「MY」が合体したマーク部分のみがモノグラムです。
ルイ・ヴィトンでいうと「LV」が合わさったマークを指しているのですが、このマークを含んだ柄が「モノグラム柄」として認知されているのです。
多くの人は、ヴィトンに代表される様なモチーフが規則正しく配置されている柄を「モノグラム」と呼び、その柄に本来のモノグラムである「合体文字」が含まれていなくてもヴィトンっぽい柄ならば「モノグラム」と呼んでいるのです。
私自身も本来の意味を知らず、ヴィトン風の柄構成をモノグラムとして捉えていたので、「モノグラム」柄の依頼があるとヴィトンを意識した柄を合体文字なしでも作っていました。
多くはそれでOKでした。
ある時、「モノグラム」柄を発注してきたクライアントからこの件を指摘され「合体文字ナシではモノグラム柄とは呼べない。キャリアはあっても知識はないのね」とチクチクいやみまじりに言われた事がありました。
(この方、業界新聞や雑誌にコメントが載る様な有名なオバサマです)
勉強にはなりましたが、既に「モノグラム柄」は「モノグラム」なしでもヴィトン風なら「モノグラム柄」なのです。
それが世間の認識です。
この事実は変えようがありません。
ちなみに、ヴィトンのモノグラム柄の合体文字以外のモチーフは、日本の家紋をイメージして作られたのは有名な話です。
ならば、ヴィトンのその柄は「ヴィトンの家紋柄」とした方が的確です。
この案、どうでしょ!?
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